杉浦取締役「社としてというよりは取材班の問題意識から出てきたと考えています。限りある紙面では、第一報は訂正させていただいた撤退だが、その後の続報、朝日新聞デジタルの大量の(記事)ではそれ以外の論点も取り上げている」
《あくまでも『取材班の問題意識』を強調する杉浦取締役。質問は32年にわたって掲載を続けた慰安婦問題の「吉田証言」にも及んだ》
記者「吉田証言が嘘だというのは学会でも常識になっていた。なぜこれだけ遅れたのか、90年代に訂正することはできなかったのか」
杉浦取締役「1997年3月に一度、慰安婦問題の検証をしています。その時は吉田証言について真偽が確認できなかったという形で総括し、その前ぐらいから吉田証言については紙面化していませんでした。しかし、正式に取り消すまでにこれほど長くかかってしまった。遅きに失したとのご指摘は免れないと思います」
記者「なぜ、気がつかなかったのか」
杉浦取締役「90年代にどういった議論があったのかは、今回の新しい第三者委員会も含めて検討しますが、改めてわれわれ自身も検証したいと思います」
《たたみかけるように経緯を問う記者に、杉浦取締役は苦しい回答に終始した》