大手企業や大学が取得した特許など知的財産の活用を中小企業に働きかける取り組みが広がる中、開放特許を活用する「さいたまモデル」と呼ばれる技術移転の手法に注目が集まっている。橋渡し役となるコーディネーターの目利き力と人脈に頼るのではなく、特許を動画で分かりやすく紹介し、商品アイデアをインターネットで募集。その上で商品化できそうなアイデアを地元企業につなぎ、製造から販売まで一貫して面倒を見る。経済産業省も「特許を分かりやすく見せるなど仕掛けが魅力的。全国展開も可能だ」と関心を示す。
技術移転に有効
大学の持つ技術や知見を中小企業につなげる事業を行ってきた一般社団法人「コラボ産学官」が、大学や公設試験研究機関、信用金庫などで構成する「産金学官による大学発シーズ事業化コンソーシアム」を組織し、全国展開に向け本格始動。今月17日まで参加大学に、製品化につながる知的財産(シーズ)の提供を呼びかけ、9大学から約30件の応募があった。まだ届いていない大学もあり最終的に100件程度になるという。企業からの応募も約30件あった。