販路拡大も支援
そのかいあって「光触媒チタンアパタイトを使用したベビーカー」が商品化検討の余地ありと目に留まった。富士通とのライセンス契約を結び、飛躍のチャンスを得たのは、感光性乳剤や導電性ペーストなどを開発・生産するサンタイプ(さいたま市南区)。大企業が時間とコストをかけて開発した技術を安く手に入れた。
光触媒チタンアパタイトは紫外線が当たると菌や有機物を分解する特性があり、布やプラスチックなどに含ませると抗菌・消臭効果が出る。同社はベビーカーだけでなく、車いすなどにも応用していく考えだ。太田耕二社長は「モノを作るのは得意でも、アイデアや販路は持っていない。支援機関などが売り先などを紹介してくれるので心強い。拡販できる」と喜ぶ。その上で「事業化5年後には1億円超の売り上げを見込む。海外にも展開したい」と語る。
さいたまモデルは第2弾として今秋、日産自動車がもつ4件の開放特許などを中小企業に紹介。アイデア募集を始めた。
SAITECの鈴木副センター長は「さいたまモデルは一般からアイデアをネットで募集するのが肝。『こういうものがほしい』というアイデアが多く寄せられる。ニーズがあるものなので短期間で商品化につながりやすい」と指摘する。