一方、同社は「開発業者の買い手がある」と申し入れたため、市は差し押さえをいったん解除。しかし、事態は一向に進展せず、市は25年4月に再び差し押さえた。同社によると、固定資産税の滞納額は約6億5千万円に上る。
波乱含みの現状
「市長が10万坪を買いたいと言ってきたから、他の買い手を断ったこともある。競売を進めるのは契約違反で、裏切り行為だ」
跡地を公売にかけるため市が9月25日に公告を始めたところ、翌26日に同社幹部が市役所敷地内に乗り込んだ。スピーカーを使い大音響で差し押さえ解除を求めた。
同社は滞納金の支払いも検討しているが、広大な土地は権利関係も複雑だ。跡地の一部は、国重要無形民俗文化財指定の「翁舞(おきなまい)」が伝わる奈良豆比古(づひこ)神社が所有。同神社は賃料のほとんどが未払いになっているとして、同社に土地返還などを求める訴訟を奈良地裁に起こし、明け渡し完了まで年480万円の支払いを命じる判決が確定している。