単行本の発行部数が累計4千万部を超える人気漫画『進撃の巨人』の物語世界を紹介する初の展覧会が、上野の森美術館(東京都台東区)で開かれている。人間を捕食する謎の巨人たちとの戦いを描く作品の世界観を体験できると同時に、作者である諫山創(いさやま・はじめ)さん(28)の発想の原点にも触れることができる。(戸谷真美)
恐怖と絶望感…
『進撃の巨人』は、平成21年に別冊少年マガジン(講談社)で連載がスタート。人間を食べる「巨人」に追われ、高さ50メートルの壁に囲まれた街に暮らす少年を主人公に、人類と巨人との対決を描く物語。諫山さんのデビュー作ながら、グロテスクともいえる描写と独特の世界観が人気を呼び、大ヒット。テレビアニメやゲームにもなり、来年夏には実写映画も公開される予定だ。
展覧会は、巨人に襲われる街を再現したシアターから始まる。映像と音に加え、がれきなどの空間演出によって巨人と対峙(たいじ)する恐怖と絶望感を味わえる。会場には巨人の実物大オブジェもあり、壁や床にめり込んだように見える体、頭だけで約5メートルという迫力に圧倒される。