「進撃の巨人」初の展覧会 独特の世界観を全身で味わうことに主眼 (3/3ページ)

2014.12.28 07:37

「超大型巨人」の実物大オブジェ©諫山創・講談社/進撃の巨人展製作委員会原画には、ところどころに諫山さんのコメントがつけられ、創作の裏側を知ることができる

「超大型巨人」の実物大オブジェ©諫山創・講談社/進撃の巨人展製作委員会原画には、ところどころに諫山さんのコメントがつけられ、創作の裏側を知ることができる【拡大】

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 人間の本質描く

 「諫山さんは、自身も感じてきた恐怖や怒り、理不尽さのようなものを、作品を通じて、みんなにも感じてほしいという思いがあって、この作品を描き始めたんです」と川窪さんは言う。

 作中、ある日突然現れた巨人に、主人公の少年エレンの母が食べられてしまうシーンがある。街を守る兵士ハンネスは、がれきの下敷きになりながら、子供たちを連れて逃げてほしいという母の願いを聞くか、巨人と戦って全員を救う賭けに出るかの選択を迫られる。巨人を目の前にした彼は、とっさの判断で自身にとってより安全な前者を選び、涙を流す。

 極限下で、むき出しになる人間の本質。同作がこれほどの話題作になったのは、普段は意識することのない人間の本質が描き続けられているからでもあるだろう。物語の世界を体感できる同展は、自身のなかにある本質と向き合うきっかけになるかもしれない。

 1月25日まで、会期中無休。入場時間指定あり。一般2千円。問い合わせはローソンチケット(電)0570・000・777。来年8月に大分、9月に大阪でも開催。

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