【松本真由美の環境・エネルギーDiary】日本の貴重な資源 地熱発電開発 (3/4ページ)

2015.1.5 05:00

新潟・松之山温泉のバイナリー地熱発電所

新潟・松之山温泉のバイナリー地熱発電所【拡大】

  • 八丁原地熱発電所内のバイナリーサイクル発電設備=大分県九重町
  • 八丈島地熱発電所の蒸気フラッシュ発電設備=東京・八丈島
  • 世界最大級の屋外温泉施設「ブルーラグーン」
  • 図:地熱はカスケード(多段階)利用が可能出所:NEDO(2006):地球熱利用システム-地中熱利用ヒートポンプシステムの特徴と課題-

 同研究所の調査によると、青森県は湧出量全国4位の温泉に恵まれているうえ、火山地域のため泉温が高く、採掘最高温度は八甲田西部の236℃でした。青森市内には30℃から60℃付近の温泉が多く、浴用だけでなく融雪などへの利用が有望ですが、温泉水を直接利用すると配管などに二酸化ケイ素(シリカ:マグマの主成分で、粘り気に関係する)の沈殿が起こりやすいため、希釈して利用することが提案されました。地熱は発電だけでなく、浴用や排湯の融雪利用などカスケード(多段階)利用が可能です。

 地球環境を守り、青森に与えられた豊かな地熱エネルギーを高温から低温まで大切に利用し、温泉の持続的な利用を可能とした地熱発電や温泉発電の持続的普及を目指すという村岡教授による「青森地熱宣言」が行われ、シンポジウムは幕を閉じました。

 現在、大規模な地熱発電開発の調査事業が進められている一方、各地でバイナリー発電の計画が浮上しています。バイナリー発電とは、水より沸点の低い媒体を温泉の熱で沸騰させ、その蒸気でタービンを回し発電するシステムのこと。計画浮上の背景として、温泉地での観光客減少による湯余りや、再エネ促進による地域イメージの向上、売電収入の魅力などが挙げられます。

 ◆お手本はアイスランド

 深く掘削しなくても中低温水で発電でき、従来型の蒸気フラッシュ発電(掘削した坑井から噴出する天然蒸気でタービンを回し発電する手法)より開発期間が短くて済み、開発に伴う環境負荷リスクや費用も相対的に少ないのが特長です。50キロワット規模の温泉バイナリー発電を想定すると、全国1591の温泉が適用対象となり、72.3万キロワットの市場規模が見積もられています。

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