村岡教授が北日本の地熱モデルとして挙げるのがアイスランドです。人口33万人の小国ですが、地熱発電の設備容量は66.4万キロワット。09年時点で1次エネルギーの85%を再エネ(地熱66%、水力19%)で賄い、全家庭の90%で地熱熱水給湯による暖房が普及しています。スバルトセンギ地熱発電所(出力7.65万キロワット)がくみ上げた地下熱水の排水を再利用した世界最大級の広さを誇る屋外温泉施設「ブルーラグーン」(約5000平方メートル)には年間約40万人の観光客が訪れています。
「首都レイキャビクは1930年代、石炭を燃やして暖房していたため、暗黒のスモッグ都市でした。しかし小さな一歩から努力を営々と積み重ね、80年かけて地域地熱暖房を実現しました。アイスランドのエネルギー自給の精神には、日本が学ぶことが大いにあると思います」(村岡教授)
エネルギー自給率わずか4%の日本にとって、自給率を高めることはエネルギー安全保障上、重要です。今後、地元住民や温泉事業者との共存を図りながら、周辺環境に配慮した地熱開発が広がっていくことを願います。
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【プロフィル】松本真由美
まつもと・まゆみ 東京大学教養学部客員准教授(環境エネルギー科学特別部門)。上智大学在学中からテレビ朝日のニュース番組に出演。NHK-BS1ワールドニュースキャスターなどを務める。環境コミュニケーション、環境とエネルギーの視点から持続可能な社会のあり方を研究する傍ら、シンポジウムのコーディネーターや講演、執筆活動などを行っている。NPO法人国際環境経済研究所(IEEI)理事。