【視点】高浜原発に運転差し止めの仮処分 司法リスクに直面する再稼働 (2/3ページ)

2015.4.21 05:00

 福井地裁が「合理性がない」と批判した規制委の新規制基準は東京電力の福島第1原発事故を受けて導入された。事故の直接の引き金となった全電源喪失といった過酷事故に対応し、テロなどに関する安全対策も義務づけ、原発の安全性をより高めたものだ。それでも福井地裁は「原発に関するリスクをすべて解消しなければ、再稼働は認めない」とゼロリスクを求めた。もちろん安全対策は万全を期さなければならないが、それでも自動車や航空機などでも事故は起こる。そうした危険を最大限除去しながら、費用対効果を考えて上手に活用するのが文明社会の知恵といえる。

 また、原発にゼロリスクを求めれば、別なリスクが顕在化することも忘れてはならない。日本ではこの1年半以上にわたって原発が1基も稼働していない原発ゼロの状態にある。その原発に代わって液化天然ガス(LNG)や石炭などの火力発電に電源の9割近くを依存し、輸入燃料の増加などが電気料金の上昇を招いている。

 とくに福島事故前に原発比率が高かった関西電力は現在、2度目の値上げを申請中だ。同社では高浜原発が稼働した場合、値下げすることを値上げの条件にしている。原発の再稼働が遅れれば、その分だけ高い料金が続くことになる。

 アベノミクスによる景気回復の動きを全国に波及させるには、地方の中小・零細企業の賃上げが欠かせない。だが、電気料金の上昇は、そうした中小・零細企業の経営を圧迫しており、賃上げ原資を奪いかねない。家計にも重い負担を強いており、経済再生にもマイナスとなる。

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