発見から52年ぶりに新種と確認された「ウシモツゴ」(近畿大提供)【拡大】
発見から半世紀以上、ほかの魚の亜種と考えられてきたコイ科の淡水魚「ウシモツゴ」について、滋賀県立琵琶湖博物館や近畿大の研究チームが新種だと突き止め、ドイツの学会誌に論文を発表、掲載された。「攻撃的で気が荒い」という意味の学名「シュードラスボラ・プグナックス」も登録され、同館は「新種と明確になったことで、絶滅危惧種であるウシモツゴの保全の動きにもプラスになる」と期待する。
同館などによると、ウシモツゴは昭和38年に東海地方でみつかった。しかし発見以降、同じコイ科のモツゴで、形がよく似ている「シナイモツゴ」の亜種とされてきた。
ところが、同館の川瀬成吾特別研究員と近畿大農学部の細谷和海教授(系統分類学)が、平成20年からウシモツゴとシナイモツゴの違いを研究した結果、ウロコの数や生息域などに明確な違いがあることが分かり、新種だと分かった。