「資金の一部は、市民の共同出資『紫波ゆめあかりファンド』で調達しています。これにより町民にとどまらず、全国から多くの方々に参加いただき、皆さんの思いと互いに共感し、事業を進めていきたいと思っています。出資者には売電収入から配当を行う予定です。メンテナンスを含め、工事は地元企業に発注して雇用機会を生み出し、地域が一体となって自立できるエネルギー社会へと変えていくきっかけにしたいと考えています」(山口氏)
ほかにも、毎年25万人が訪れる町内の人気施設、ラ・フランス温泉館には太陽光発電、太陽熱温水、温排水熱回収ヒートポンプ、木質チップボイラーの4つのエネルギー設備が導入され、うち3つはESCO方式で山口氏らの主体により民間資金で設置されています。
官民連携で分散型エネルギー社会をつくっていく紫波町での取り組みは、地球温暖化対策や地域活性化にもつながります。こうした未来を見据えた取り組みが全国各地に広がっていくことを期待したいです。
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【プロフィル】松本真由美
まつもと・まゆみ 東京大学教養学部客員准教授(環境エネルギー科学特別部門)。上智大学在学中からテレビ朝日のニュース番組に出演。NHK-BS1ワールドニュースキャスターなどを務める。環境コミュニケーション、環境とエネルギーの視点から持続可能な社会のあり方を研究する傍ら、シンポジウムのコーディネーターや講演、執筆活動などを行っている。NPO法人国際環境経済研究所(IEEI)理事。