【川内原発再稼働へ】電気料金、負担軽減へ、着実な再稼働が不可欠

2015.5.25 21:29

 九州電力川内(せんだい)原発1号機(鹿児島県)が25日の発表通り7月下旬に再稼働すれば、国内全基が停止した原発ゼロの異常事態が約1年10カ月ぶりに解消される。代替する火力発電の燃料費で電気料金が高止まりした現状が改善される期待も高まりそうだ。同時に、電力各社の電気料金には既に原発の再稼働が織り込まれており、国民負担の軽減には他の原発の着実な運転再開が前提となる。

 国内では、平成25年9月に関西電力大飯原発(福井県)が停止して以降、原発ゼロの状態が続いている。電力各社は発電コストが高い火力発電の稼働増で電力不足を防いでおり、いまや電源構成に占める火力の割合は9割になる。原発事故前に比べた全国平均の電気代は家庭用で2割、企業用で3割値上がりした。

 コスト上昇分を転嫁できない中小・零細企業では廃業の危機もいわれており、川内原発の再稼働が電気料金の値下げにつながるかに注目が集まりそうだ。

 ただ、九電の現行の電気料金は川内と玄海原発(佐賀県)計4基の再稼働が前提となっている。九電は、再稼働が川内だけであれば再値上げに踏み切る可能性を示唆している。

 原子力規制委員会の審査に合格した原発は、川内のほか、関西電力高浜3、4号機(福井県)と四国電力伊方3号機(愛媛県)の計3カ所にとどまる。11月の再稼働を想定する高浜は、福井地裁が差し止めの仮処分決定を下したことで、実現が見通せていない。

 政府は平成42年度の電源構成で、電気料金の抑制や地球温暖化対策への配慮から、低コストで二酸化炭素(CO2)を出さない原発の比率を20~22%まで回復させる方針を示した。原発停止の弊害が目立ち始めたなか、資源小国の日本にとって安全性を確認した原発の再活用は不可欠だ。(田辺裕晶)

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。