九州電力の川内原発=2014年10月、鹿児島県薩摩川内市【拡大】
鹿児島地裁が22日、九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働差し止めを求める仮処分申請を却下したことを受け、電力業界には「原発の安全性に関する九電の主張が認められた」(電気事業連合会)など、安堵(あんど)感が広がった。九電は川内原発の早期再稼働が視野に入った。ただ、運転再開に道筋を付けた原発は一部にとどまり、電力各社の厳しい経営環境に変わりはない。
九電は22日、再稼働差し止めの申し立てが却下されたことについて「安全性は確保されているとの当社の主張が認められたものであり、妥当な決定をいただいた」との談話を発表した。
九電は原発停止に伴う火力発電向け燃料費が膨らみ、2015年3月期は1150億円の最終赤字を見込む。最終赤字は4年連続。川内原発1、2号機が再稼働すれば、月200億円の収益改善が見込まれ、財務の一段の悪化はひとまず避けられる。