「新規制基準まで否定されてはどうしようもない」
14日午後2時すぎ、福井地裁の樋口英明裁判長が関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の運転差し止めの仮処分を言い渡した後、報告を受けた関電幹部は表情をこわばらせた。
格段に重い仮処分
東京電力福島第1原発事故後、司法が原発の運転差し止めを妥当としたのは2例目。前回は昨年5月に福井地裁が関電大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止めを命じた民事判決だ。
いずれも担当は樋口裁判長で、今回は高浜について「万が一の危険という領域をはるかに超えている」と指摘した。原子力規制委員会が安全を確認した原発から順次稼働するとの政府方針に真っ向から対立しただけでなく「新規制基準は緩やかに過ぎ、合理性を欠く」とまで言い切った。
これで手続きが最終局面に入っていた高浜の再稼働が暗礁に乗り上げ、産業界からは「ゼロリスクをいわれたら飛行機も電車も動かせない」との声が上がる。
ただ、昨年5月の民事判決と同じ判断とはいえ、関電にとっては今回の仮処分は格段に重い意味を持つ。