一方、福井県の西川一誠知事はコメントで「司法の判断であり、申し上げる立場にない。県としてはこれまで通り、安全確保を最優先に慎重に対応していく」とするにとどめた。
高浜町内では早期の再稼働を求める住民らの間に失望感が広がった。
「せっかく再稼働が目前に迫っていたのに」。町内で旅館を営む時岡明秀さん(57)は声に焦燥感をにじませた。
原発作業員を主な客とする宿泊施設や飲食店などが多く、原発は町にとって欠かせない存在だ。高浜3、4号機の安全対策工事は一段落して“特需”は終わった。再稼働できない事態が長引くと、定期検査に携わる作業員(約2500人)が減少し、地元経済には大打撃となる。
高浜3、4号機の早期再稼働を求める陳情に名を連ねたガソリンスタンド経営の田中康隆さん(58)は「仮処分申請時点(昨年12月)と原子力規制委員会が『合格』を出した今では状況が違う」。町の建設業関係者も「司法の暴走だ。地元の心情を全く鑑みていない」と厳しく批判した。(SANKEI EXPRESS)