主要国首脳会議を終え、記者会見する安倍首相=6月8日、ドイツ・ミュンヘン(共同)【拡大】
30年末までに運転開始後40年超となる原発は同原発を含め20基にのぼるが、すべて同手続きを踏まないと運転延長ができない。しかも、1基ごとに運転40年を迎える1年3カ月前でないと延長の申請は受理されず、余裕を持っての申請は受け付けてもらえない。
さらに、田中規制委員長は当初「審査に半年程度」と語っていたが、新規制基準が運用されて約2年がたつのに、再稼働に必要な審査・検査を終えたのは7月24日に終了した川内原発1号機の1基だけだ。
この調子では、前述の原発20基は運転延長の申請をしても40年の期限をそのまま迎え、全て廃炉という運命になる。これでは他の全原発が再稼動したとしても原子力割合は、30年断面で15%止まりとなり、政府が目指す原子力割合20~22%には到底達しない。発電段階でCO2を発生しない原発の電気の量が減ればCO2の削減量も減るわけで、排出削減目標26%も絵に描いた餅になってしまう。