主要国首脳会議を終え、記者会見する安倍首相=6月8日、ドイツ・ミュンヘン(共同)【拡大】
◆科学的で合理的な議論を
この問題を放置していては、安倍首相は地球温暖化対策の国際公約をほごにしたと言われても仕方あるまい。
40年運転規制などは原子力規制委員会のルールであり、同委員会を改革することが急務である。設置法附則第5条に「3年以内の見直し」が規定されていて9月にその節目を迎えるが、多くの機関は腫れ物に触るようで動きがはかばかしくない。
唯一、自民党の電力安定供給推進議員連盟(細田博之会長)だけが、緊急提言を取りまとめ、7月8日に発信した。同提言は内外の専門家の意見を集大成した上で、国会議員の多様な意見も反映したものだ。40年運転規制については「一律40年と運転期間を制限するのではなく、科学的、合理的な議論に基づいて有効活用を図ることが必要」と述べ、外部監査を拒み孤立を続ける規制委員会に第三者の声の反映を求めるなど、網羅的で、的確かつ妥当な内容となっている。
安倍首相は、国際公約を実現するために、この党内143人の国会議員による緊急提言の内容を生かし、実現する方向で国のリーダーシップを発揮していただきたい。(芝一太郎)