温暖化対策の観点から逆風が吹く石炭火力発電所。写真は東京電力の広野火力発電所=福島県広野町【拡大】
原発の再稼働が進まない中、もう一つのベース電源である石炭火力発電所の計画ラッシュが続いている。出力50万キロワット以上の大型電源の新増設プロジェクトが相次いでおり、現在、計画中12地点の合計出力は1190万キロワット。ほかにも水面下の案件や、出力11.25万キロワット未満の小型電源の建設もめじろ押しで、全国の計画は優に1500万キロワットを超えるとみられる。
しかし、二酸化炭素(CO2)を多く排出する石炭火力に対し、行政は規制強化の方針を打ち出した。折しも年末にパリで開かれる気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に向け、わが国は2030年に目指す13年比26%減の温暖化ガス排出量の削減目標を決めたばかり。計画ラッシュは“石炭火力バブル”に終わりかねない。
◆アセス対象外の小型乱立
「小型電源は非効率であるだけでなく、電力自由化の対等な競争条件もゆがめる。抑制すべきだ」
7月17日、石炭火力の立地基準の見直しをめぐる経済産業省の専門家会合で、電力会社系の有識者からこんな批判が相次いだ。というのも、電力会社の大型電源には最新の環境技術による厳格な立地規制が課されているのに対し、11.25万キロワット未満の小型電源は国の環境アセスメントの対象外だからだ。現在、約30件の計画が乱立し、しかも、これらの熱効率は40%以下(大型の超々臨界圧発電は45%)と低く、CO2排出量は多い。