■思春期特発性側弯症の発症に関連する遺伝子「BNC2」を発見
□理化学研究所 統合生命医科学研究センター 骨関節疾患研究チーム チームリーダー・池川志郎
側弯(そくわん)症は背骨が曲がる疾患で、その多くは原因不明の特発性側弯症とされる。中でも頻度が高いのが思春期に発症する思春期特発性側弯症(AIS:Adolescent Idiopathic Scoliosis)で、全世界で人口の2%にみられる。
AISは遺伝的要因と環境要因の相互作用によって発症する多因子遺伝病であることが分かっており、世界中の研究グループがその発症しやすさを決定する遺伝子である疾患感受性遺伝子を探している。理化学研究所はこれまでに、ゲノムワイド相関解析(GWAS)という手法を用いて、AISの疾患感受性遺伝子として「LBX1」と「GPR126」を発見している。
今回、理研を中心とした研究グループは、日本人AIS患者と非患者、約1万3000人の集団を対象とする、AISにおいて世界最大規模のGWASを行い、新たなAISの疾患感受性遺伝子の発見を目指した。ヒトゲノム全体をカバーする約400万個の一塩基多型(SNP)を調べ、その結果を約4500人の別の日本人集団を用いて検証したところ、「BNC2」という遺伝子内のSNPとAIS発症に非常に強い相関がみつかった。
また、この遺伝子をもつ患者に多くみられる対立遺伝子は、BNC2量を増加させていた。研究グループは「BNC2の過剰発現が側弯症を引き起こす」という仮説を立て、モデル動物のゼブラフィッシュでBNC2を過剰発現させたところ、実際に側弯が起こった。
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