■小児慢性疲労症候群患児の脳活動状態を明らかに
□理化学研究所 ライフサイエンス技術基盤研究センター 生命機能動的イメージング部門イメージング応用研究グループ 健康・病態科学研究チーム 上級研究員・水野敬
不登校の児童・生徒の多くが発症する小児慢性疲労症候群(CCFS)は、3カ月以上持続する疲労・倦怠感および睡眠・覚醒リズム障害を伴う病気で、疲労と脳機能の関係の解明が求められている。共同研究グループは、小・中学生を対象に平仮名で書かれた物語を読ませ、母音の拾い上げと物語の内容理解を同時に要求する「仮名拾いテスト」と呼ばれる注意配分課題を実施し、CCFS患児の成績が健常児より低く、また健常児でも疲労を強く感じている状態では成績が低くなることを明らかにしている。しかし、注意配分機能が低下している脳内で何が起きているのかは分かっていなかった。