【番頭の時代】関西から攻める 世界相手に知財戦略展開 (5/5ページ)

2015.12.19 05:00

 ただ、知財はもちろん法規制やリスク管理、倫理問題などが複雑に絡む事業。高須は当初、「自分にはできません」と固辞したが、いったん引き受けると持ち前の情熱で期待に応えた。8月には、iPS細胞ストックを初めて臨床用に製薬会社などに提供するところまでこぎつけた。

 iPS細胞が研究段階から実用化へと向かいつつあるいま、守備範囲を「研究以外のほとんど全て」という高須の役割は重要さを増す。そんな実務面の番頭に山中は「iPS細胞の医療応用を進める原動力」と全幅の信頼を置いている。

 高須は「最近、iPS細胞で患者さんの命が助かる夢を見るんです」と語る。

 それは夢が現実になる手応えの裏返しなのかもしれない。(敬称略)

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 ■番頭の教え

 ◆学術機関を支える重要モデル

 シンガポールは世界中からさまざまな分野の研究者を招致し、莫大(ばくだい)な研究開発費を投じる。研究から得た技術の事業化を目的とし、技術特許の一部も国が取得できる仕組みがある。

 日本の学術機関で発明される技術も少なくない。日本で発明された技術をより早く世界に展開するためにも、特許交渉や、事業化への取り組みをモデル化し、学術機関を支える重要な機能として位置づけることが望まれる。(ビズグロー代表 杉村知哉)

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