福井地裁=24日、福井市(村本聡撮影)【拡大】
例えば、水を蒸気にしてタービンを回して発電するための「主給水ポンプ」について、樋口氏は「破損すれば、炉心損傷に至る危険がある」と誤認、原発の仕組みを理解していなかった。重大事故が起きたときの前線基地としての機能を持つ設備がすでに備えられているにもかかわらず、「設置が必要である」とも指摘した。
規制委が作成した新基準については辛辣(しんらつ)で、樋口氏は「緩やかに過ぎ、これに適合しても原発の安全性は確保されていない」と断定した。これに対し、規制委の田中俊一委員長が「絶対安全を求めると、結局は安全神話に陥るという反省から規制をしている。その趣旨が理解してもらえず遺憾だ」と述べ、司法に対し異例の反論を試みていた。(原子力取材班)