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入居者の選択の範囲が増えるとすれば、災害公営住宅の急速な進捗(しんちょく)見込みがある。16年度末で計画の88%が完成予定。高台への移転も75%まで上がる。16、17年度がピークとなり、「住宅をしっかりと建てることである意味、新しいステージに向かう」(吉田光市・復興庁統括官)という。
国はこれまで災害弔慰金などの給付を行ってきた。寄せられた義援金も配布した。県を通して交付が可能な「取崩し型復興基金」の活用も進めてほしいという。一方で、長期化による入居者への「心のケア」も今後、大きな問題となる。国は見守りの相談員、復興支援員、保健師の活用などを重点施策として充実させていくとしているが、住宅の整備を含め、可能な限りの対策を迅速にかつ柔軟に進めてもらいたい。
東日本や阪神、雲仙普賢岳などの復興計画の策定に携わった「減災・復興支援機構」の木村拓郎理事長は「入居当初は『非日常』の生活だったが、今は『日常』に変わってしまったという感じだ」と話す。行政にはこれまでの次元の対応ではまだ足りない。当たり前としていた仕組みを変えてでも、柔軟に対応することが求められる。