近大の世耕石弘広報部長は「確かにうなぎ味のナマズは期待されているが、学術的な研究成果として近大マグロに及ばない」と指摘した上で、こう強調する。
「ウナギの完全養殖の成功にまだ10年かかることを理解したうえで、視点を変えて『土用の丑の日』の蒲焼き需要に応えようと始めた近大らしい研究ともいえる」
昨年6月、開発に成功すると、翌7月の「土用の丑の日」に試食会を開いてアピール。そのわずか3か月後の11月にはナマズ開発に協力した養殖業者などが新会社「日本なまず生産」を設立するなど企業も驚くスピード感で事業化が進んでいる。
新会社は漁獲量が減少してウナギの値段が高騰するなか、今年の土用の丑の日に向け、約10万匹の出荷を目指し、「将来的には1杯のナマズ丼がワンコインで食べられるようにしたい」と有路准教授の鼻息は荒い。