クレーン車で転落した国道脇から移動されたスキーバスと、現場の散乱物を調べる長野県警の捜査員ら=1月15日、同県軽井沢町【拡大】
□産経新聞客員論説委員・五十嵐徹
長野県軽井沢町で1月15日未明、スキーツアーの大学生らを乗せた大型バスが道路脇の斜面に転落、バスの運転手2人と乗客13人の計15人が死亡、乗客26人が重軽傷を負った。
大型バスによる深刻な事故が続いていることで、2000年に大幅に規制が緩和された貸し切りバス事業には、規制を再強化すべしとの意見も出ている。
事故を起こしたバス会社は、運転手に健康診断を受けさせていなかったとして、事故の2日前に国土交通省の行政処分を受けたばかり。国が定めた最低価格を大幅に下回る料金で運行を受託する違反も犯していた。
運行管理の基本である乗務前の点呼もしておらず、事故車両は、事前に届け出た運行ルートとは異なる道を走っていた。
事故の直接の原因については、スピードの大幅超過にともなう、何らかの運転ミスとの疑いが強まっているが、事業者として守って当然のルールがここまで無視されていた事態は深刻だ。規制のあり方を根本から見直すのは、ある意味で当然だろう。