ソーラーシェアリングで温室ハウスの前面に設置した太陽光パネル【拡大】
「菜の花は土嚢(どのう)中の水に溶けているセシウムやストロンチウムなどの放射性物質を吸収する能力が最も高いといわれる植物の一つです。放置状態だった圃場で雑草処理から始め14年秋、15ヘクタールにナタネを播種、15年春には9トンの菜種を収穫しました。募金や福島県の営農再開支援事業を活用し、汎用(はんよう)コンバイン、トラクターの購入や委託による搾油を行いました。検出器の測定でも南相馬のナタネ油にはセシウムは検出されていません。遺伝子組み換えや薬品、添加物などの心配もありません」
同協議会が栽培、搾油した食用ナタネ油は「油菜ちゃん」として商品化されています。15年夏には石鹸メーカーのラッシュジャパンから、石鹸素地の原材料として油菜ちゃんを使いたいという話が舞い込みました。石鹸「つながるオモイ」は3月1日から数量限定で販売されています。
南相馬ソーラーヴィレッジや菜の花プロジェクトといった市民力を生かした取り組みは、農業やコミュニティーの再生、経済的自立を目指す大きな力になっています。
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【プロフィル】松本真由美
まつもと・まゆみ 東京大学教養学部客員准教授(環境エネルギー科学特別部門)。上智大学在学中からテレビ朝日のニュース番組に出演。NHK-BS1ワールドニュースキャスターなどを務める。環境コミュニケーション、環境とエネルギーの視点から持続可能な社会のあり方を研究する傍ら、シンポジウムのコーディネーターや講演、執筆活動などを行っている。NPO法人国際環境経済研究所(IEEI)理事。