わが国では電気料金の値上がりや節電意識の浸透などにより、電力需要は減少傾向にある。「原発がなくても電気は足りている」との声が高まるのも無理はない。だが、海外の有事で日本のエネルギー調達に支障が生じれば、何よりも困るのは国民自身である。資源小国の日本が電力供給における原子力という選択肢を放棄することが合理的とは思えない。
それだけに政府の責任は重い。原発に対する厳しい世論を意識するあまり、原発の必要性や重要性を国民に訴える責務から逃げるべきではない。政府が昨年7月に閣議決定した2030年度における電源構成目標では、原発比率を20~22%にすると定めた。だが、数値目標さえ決めれば、それが達成できるわけではない。その実現に向けた政策をきちんと打ち出す必要があることを忘れてはならない。