熊本県内の文化財にも被害が相次いだ。熊本市の中心部にある熊本城では、天守閣の屋根瓦が最上階部分など複数の層に渡って落ちたほか、国の重要文化財である長塀が約100メートルに渡って倒壊、天守閣近くの「平櫓」の漆喰壁も崩壊した。熊本城総合事務所によると、このほか天守閣の入り口周辺など、約10カ所の石垣が崩落する大きな被害が出て、入場者の受け入れを中止した。
同市中央区にある、明治時代に夏目漱石や小泉八雲も教鞭をとった旧第五高等中学校本館(現・熊本大学五高記念館)でも、重文に指定された赤煉瓦造りの建物の煙突8本のうち2本が落下して破損、ほか2本にも亀裂が入った。同記念館の伊藤重剛前館長は「破損が激しく、修復の方法を今後検討しなければならない」と話した。
このほか同県山都(やまと)町にある国重文、通潤橋では橋の内部を通る通水管から一部橋の上に水が漏れ出す被害などが確認された。同県文化課の担当者は「人命救助最優先だが、県内の文化財被害の情報収集にも努めたい」と話していた。