エックス線天文衛星「ひとみ」の運用断念について記者会見で頭を下げるJAXAの常田佐久理事(手前から2人目)ら=28日午後、東京都千代田区【拡大】
慣性を利用して姿勢制御するための装置が作動し、小型エンジンも噴射したため、機体が高速回転を始めた。その結果、機体の両側に3枚ずつ、計6枚ある太陽電池パネルが遠心力で全て根元から脱落。JAXAはコンピューターの搭載ソフトに問題があったとみて詳しく調べる。
エックス線天文衛星はかつて日本の「お家芸」とされたが、2000年の「アストロE」打ち上げ失敗、05年の打ち上げ後に主要機器が故障した「すざく」に続き、3回連続の失敗となった。
米国と欧州は、設計寿命を超えたエックス線天文衛星をそれぞれ運用中。ひとみは欧州が28年以降に次世代衛星を打ち上げるまで国際的な観測を担うはずだった。