国立西洋美術館は、ル・コルビュジエの設計による国内唯一の建築。1階の壁を取り払った「ピロティ」や「屋上庭園」などコルビュジエ建築の特徴を備え、展示品の増加に伴い巻き貝のように渦巻き状に増床できる「無限発展美術館」の構想の数少ない実現例として世界的に評価されている。昭和34年にオープン。平成19年に国の重要文化財の指定を受けた。
世界文化遺産の審査は各国年1件に制限され、「ル・コルビュジエの建築作品」はフランス枠での推薦。日本は「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎、熊本)を推薦していたが、イコモスから推薦内容の不備を指摘されいったん取り下げた。政府は1月、2017年の登録を目指して「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡)を推薦した。
世界遺産は、貴重な遺跡や生態系などを人類共通の財産として後世に伝えるため、世界遺産条約に基づきユネスコが登録する。文化、自然、複合の3種類がある。各国は登録可否が決まる前年の2月1日までにユネスコに正式な推薦書を提出。イコモスが現地調査などを経て可否を勧告する。勧告には(1)登録(2)追加情報の提出を求める「情報照会」(3)登録延期(4)不登録-の4つがあり、登録勧告が出れば通常、世界遺産委員会でそのまま正式決定される。