訴状には、山田家の怒りがにじむ。
「出火直後に報告があれば、消火を手伝うことで鎮火できた可能性もあった」
「ガスで充満したかやぶき内に発煙装置を入れれば、装置の火の粉が引火することは容易に想像できる」
「2人が専門業者としてハチの駆除作業をしていたことも踏まえると、故意にも近い重大な過失による火災だ」
山田家の代理人弁護士によると、業者側は書面の提出にも応じず、連絡が取れない状態だという。作業員2人もそれぞれ過失は認めていない。
年間20人前後が死亡
スズメバチはハチの中でも大きく、性格も凶暴だ。巣に近寄らないことが一番だが、巣があることに気づかずに、刺されてしまうことも多い。
厚生労働省によると、26年にハチに刺されて死亡した人は14人。その前の年は24人で、年間20人前後で推移している。大半がスズメバチの被害とみられ、毒ヘビによる死者の数を上回っている。