日本ビーンズ群馬工場の生産予測システムに入力する担当者=群馬県伊勢崎市【拡大】
こうして生産予測システムの導入に向けかじを切った。着目したのはアルゴリズムによるデータ解析などの技術。オプトホールディングが運営するビッグデータ分析専門組織「オプトデータサイエンスラボ」などと連携し、豆腐の適正生産量を予測するモデルのシステム開発でコンペを開催。そのコンペで得られた生産予測モデルを、年400万丁を生産する「おぼろ豆腐」の生産予測に活用することにした。予測システムは誰でも使えるように気温などの気象データや日付、特売の情報など5項目を入力するだけの簡単なものにした。
「導入前は誰もが担当者の予測精度を上回ることはないと思っていた」(勝又氏)が、蓋を開けてみると予測システムによる需要予測の精度は15%も向上、担当者を上回った。
現在は担当者の経験と勘に加え、予測システムのデータを活用することで需要予測は一段と向上し、食品ロスの低減につながっている。勝又氏は今後の展開について、「予測精度のさらなる向上に向けシステムを刷新していくほか、他の製品などの生産予測にも広げていきたい」と意欲を燃やしている。