
人でにぎわう北東部の都市ラホール。パキスタンは、HIV感染やエイズの話題がタブー視されているという(AP)【拡大】
しかし、パキスタンはARTを受けている感染者の割合が6%程度で、アフガニスタンやマダガスカルなどと並んで世界最低水準だ。このため専門家からは、パキスタン政府のこの問題に対する取り組みが失敗しているとの声が上がっている。
医療関係の専門家は、パキスタン国内の感染のおもな要因は注射器の使い回しと輸血だと指摘。現状の感染者数はアフリカ諸国よりは少なく、政府が今から正しい対策を講じれば爆発的な流行は避けられると述べた。
パキスタン国内の別の調査によると、感染者数は9万4000人で、南アジア地域ではインドに次いで2番目に多い。同国内ではHIVやエイズの話題がタブー視されている面もあり、症状や原因に関する無知が結果的に感染増につながっているとの指摘もある。感染増加の沈静化に向け、政府が果たすべき役割が大きくなっているといえそうだ。(ニューデリー支局)