千利休が主役の大河ドラマを 実現する会発足、堺市長らがNHKに要望

千利休(堺市博物館提供)
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 堺に生まれた茶人で、茶の湯の発展に大きな足跡を残した千利休をNHK大河ドラマの主人公にしようと、「『千利休』の大河ドラマを実現する会」が発足した。堺市の竹山修身市長が会長となり、茶道三千家が協力し、近くNHKへの要望活動を行う。堺市によると、千利休は過去の大河ドラマでは登場人物になったことはあるが、主人公として描かれたことは一度もない。ドラマ放映で市の知名度アップもねらう。(張英壽)

 竹山市長が会長となった実現する会は、名誉顧問に裏千家の千玄室大宗匠が就任し、顧問には、表千家の千宗左家元▽裏千家の千宗室家元▽武者小路千家の千宗守家元-の茶道三千家の家元が務めている。副会長は、吉川守・堺市議会議長▽森口巖・市自治連合協議会会長▽前田寛司・堺商工会議所会頭-の3人。

 今月下旬に、竹山市長と副会長の3人が上京し、NHKの籾井勝人会長に、実現に向けた要望を行う予定で、日程を最終調整している。

 市広報部によると、千利休はこれまでも大河ドラマに登場し、現在放映中の「真田丸」では、桂文枝さんが演じている。また一昨年の「軍師官兵衛」では、伊武雅刀さんが配役された。しかし、55作ある大河ドラマの中で、主人公になったことは一度もないという。ただ、昭和53年の「黄金の日日」は戦国時代の堺とフィリピン・ルソンとの交易を開いた商人、呂宋(納屋)助左衛門を描いている。

 全国では、千利休は茶の湯のイメージが強いが、堺で生まれたことを知らない人も多く、堺と千利休がなかなか結びつかないという。広報部の担当者は「過去の大河ドラマでは、舞台となった地元にかなりの経済効果があった。利休が主人公の物語が放映されることで、利休が堺で生まれ育ったことが知られる機会になり、市のPRにも役立つ」と話す。

 竹山市長は実現に向け「堺の魅力を一層発信して歴史文化に理解を深めてもらうとともに、観光客の増加につなげたい」と意気込んでいる。

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 【千利休】(せんのりきゅう 1522~1591年) 千家茶道の初祖であり、わび茶の完成者として知られる。堺の商家に生まれ、堺の豪商・武野紹鴎に茶の湯を習った。作法や茶室などで独自性を発揮し、茶の湯の芸術性を高めた。織田信長や豊臣秀吉の茶頭(さどう)として仕え、秀吉の筆頭茶頭となり「天下一の茶の湯者」と称された。堺市は昨年3月、与謝野晶子とともに顕彰する「さかい利晶の杜」を市内に開設。来館者は60万人を突破した。