
道頓堀川を航行するクルーズ船上で、「グリコの看板」などを夢中で撮影する韓国人客ら=8月18日午後7時すぎ、大阪市中央区【拡大】
過度なサービスを「外国人優遇」と批判する意見も増えているようだ。
日本人客へのイメージを気にするあまり、市内の百貨店には「インバウンド関係の取材はお断り」と明言する関係者もいる。
日本人客のイメージ悪化に気をもみながらも、集客が命である観光・レジャー業界はやはりインバウンドに視線を注がざるを得ない。ただ、絶好の商機に乗り切れていないところもあり、その一つが住之江競艇場(大阪市住之江区)だ。
ファンの高齢化もあり、客の新規開拓の一環で外国人客に目を付けた。約5年前、近くの大阪南港に接岸する中国などからの大型客船のツアー客を呼び込もうと船内でのPRを企画したが、旅行会社から「法律の問題などで難しい」と断られた。
日本で誕生した競艇の独特なルールを理解してもらおうと、中国語や韓国語のパンフレットを作成したが、きっかけがないのに競艇場に立ち寄る外国人客はおらず、今ひとつ反応がなかったという。
同競艇場でレースを開催する箕面市競艇事業局の平田信夫参事(57)は「中国人の富裕層は香港などでカジノを楽しむが、基本的には日本のようなギャンブル文化はないことが分かった。直接、外国人客を呼ぶことはあきらめるしかなかった」と振り返る。