日本の常識では考えられないが、上海では多少の接触ならそのまま通行する人が大半だった。そんな中国人観光客に文化や習慣、マナーの違いを理解させるのは、簡単なことではないだろう。
パンクは「整備が悪い」、かごはごみ箱
花房さんは利用客のマナーの悪さにも悩まされている。
パンクし、タイヤのチューブもちぎれた状態で自転車を返却した中国人男性は「こんなことになった」と平然と話し、悪びれた様子もない。「これはさすがに修理代を請求したい」というと、「整備が悪い。パンクしたのはこちらのせいではない」と逆ギレされ、押し問答に。男性客は「適正な利用」をしたという主張を最後まで曲げなかった。
観光中に飲食した弁当やペットボトルを自転車のかごに詰めて返却する利用客も多い。子供の使用済みおむつや、たばこの吸い殻などが無造作に詰め込まれている場合もあるという。「自転車のかごをごみ箱だとでも思っているのか。ごみの分別も大変だ」と花房さん。