
日本の企業が委託したミャンマーの工場内の様子(エナジェティックグリーン提供)【拡大】
労働環境も劣悪で、最高気温が40度を超えるにもかかわらず、工場に冷房機器がない。暑さで倒れる従業員も出ており、工場内の病院には応急処置のための医療器具や薬も用意されておらず、従業員が共同でそれらを買っているという。
トイレにも満足に行けず
ルシアンの工場では、約500人以上の従業員が働く。調査では、雨が降ると食堂が浸水してしまい、晴れた日には鳩がたくさん入ってきて、衛生状態が劣悪な状況にあるという。
工場には水筒を持っていくことが許されておらず、工場内の飲料水タンクの水が衛生的でないため、腹痛を起こす人もいた。トイレへ行くにもカードを持って利用しなければならないが、2枚しかなく、満足に行くこともできない。
トイレを含めて工場の至る所に防犯カメラが設置されており、監視状況が厳しい。この工場でもミキハウスと同様、従業員から最低賃金以下の賃金しか支払われていないとの訴えがあった。
「心配かけおわびします」
これらの訴えに対し、企業側はどう答えたか。
調査報告を受けて、ミキハウストレードは1月16日に、ホームページで「指摘を大変重く受け止める。関係者の皆様には、ご迷惑とご心配をおかけしておりますことを心よりおわび申し上げます」とする見解を発表した。