
結浜を抱く飼育スタッフ=和歌山県白浜町のアドベンチャーワールド【拡大】
これまでに15頭という誕生実績は、中国国外の施設では最多。要因の一つは、このうち14頭の父親となった永明(エイメイ)の存在だ。梅梅、良浜と繁殖を行ったが、どちらとも相性が良かったという。
永明はすでに24歳。人間でいうと70歳を超えており、飼育された状態で自然繁殖に成功した世界最高齢の雄だ。担当者は「今後は、生まれたパンダを健康に育て、次世代へとつないでいくことが重要」と力を込める。
母親による子育てが重要
アドベンチャーワールドでは、ジャイアントパンダの赤ちゃんには最初に母乳を与え、生後約1年間を母親と過ごさせるなど、できるだけ自然に近い流れで子育てを行っている。こうした環境づくりが、赤ちゃんを健やかに育てることや、自然交配能力の育成に有効と考えられているためだ。
雄の赤ちゃんなら、母親の行動を近くで見ることで、雌の扱い方も学ぶとされている。
結浜も、まだ竹が食べられないにも関わらず、良浜のまねをして竹をかじろうとするしぐさを見せるなど、母親からさまざまなことを学んでいる様子がうかがえるという。親子で過ごす貴重な時間を、飼育スタッフらも全力でサポートしている。