
結浜を抱く飼育スタッフ=和歌山県白浜町のアドベンチャーワールド【拡大】
エンペラーペンギンも
昨年、同施設で10羽目となる赤ちゃんが誕生したエンペラーペンギンも、繁殖や子育てに飼育スタッフたちが工夫を重ねている。
国内での誕生実績は他にはなく、同施設でこれまで誕生した10羽はすべて両親が同じ。エンペラーペンギンは、繁殖の相手を入念に選ぶとされており、相性が良かったことが要因の一つと考えられている。
子育ては、親の重みで赤ちゃんがつぶされてしまうことなどを避けるため、一定期間、人の手で行う必要がある。
エンペラーペンギンは生まれて初めて見た動くものを親と認識する習性があるため、スタッフはペンギン形のマスクと手袋を装着し、録音した親鳥の鳴き声を聞かせながらエサを与えるなどしている。
鯨類繁殖プロジェクト
同施設では陸・海・空で140種1400頭の動物を飼育。さらに、さまざまな希少動物の保護研究を進めており、これまでに16頭を誕生させたバンドウイルカについても昨年12月、鯨類の繁殖プロジェクトチームを結成した。
繁殖を目的に、所有権を各施設に残したまま施設間で動物の貸し借りを行う「ブリーディングローン制度」もあり、さまざまな手法で、計画的な繁殖や育成を目指している。