
花見客で混雑する「祇園白川」。外国人を中心とする観光客の急増に伴う安全面やマナー違反への懸念から、夜桜観賞の恒例行事「祇園白川さくらライトアップ」が今春、中止になった=京都市東山区【拡大】
春の風物詩、事故の恐れも
「こんないい場所で、何でライトアップをやらないんだろう」。巽橋からスマートフォンで桜を撮影していた日本人男性が知人に尋ねていた。やらないのではなくて中止に追い込まれていたのだった。
祇園白川一帯では、京都市が平成2年から、白川南通り(川端通り~辰巳神社)沿いの約220メートルで桜約40本の夜間ライトアップを始めた。
18年以降は地元住民の有志団体「祇園白川ライトアップ実行委員会」が、京都商工会議所などの助成を受け、毎年3月末から4月初旬にかけて約10日間のライトアップを実施してきた。
実行委によると、この期間は昼間も含めると約30万人の花見客が訪れていたといい、ライトアップは春の風物詩として定着。期間中、白川南通りは車両通行止めにもなっていた。
だが近年、観光客の急増とともに雲行きが怪しくなった。安全面が懸念されるような出来事が次々と起こったのだ。
道路を横切る花見客と車両が接触しそうになったり、撮影に夢中になった花見客が橋から川に落下したり…。祇園白川にある老舗旅館では、私設の橋に無断侵入して撮影する人々がいるため、来店客の妨げになるとして日本語や英語、中国語などで立ち入り禁止を促す注意書きを設置するようになった。