
上空から見た浦山ダム(本社ヘリから)【拡大】
◆秋ケ瀬取水堰
利根大堰から武蔵水路や見沼代用水路に分水された用水は荒川に注水され、荒川河口から35キロメートルに位置する秋ケ瀬取水堰(埼玉県志木市)の可動堰で水位を一定に保たれている。その用水は朝霞水路を通り、東京都水道局の朝霞浄水場(埼玉県朝霞市)、三園浄水場(板橋区)、東村山浄水場(東村山市)、金町浄水場(葛飾区)などに送られ、首都圏の水需要の約8割を支えている。
近年の地球温暖化により水資源の偏り(洪水や干魃(かんばつ))が頻発しており、水資源を統合管理するために、さらなる設備増強とネットワーク化が求められている。
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【プロフィル】吉村和就
よしむら・かずなり グローバルウォータ・ジャパン代表、国連環境アドバイザー。1972年荏原インフィルコ入社。荏原製作所本社経営企画部長、国連ニューヨーク本部の環境審議官などを経て、2005年グローバルウォータ・ジャパン設立。現在、国連テクニカルアドバイザー、水の安全保障戦略機構・技術普及委員長、経済産業省「水ビジネス国際展開研究会」委員、自民党「水戦略特命委員会」顧問などを務める。著書に『水ビジネス 110兆円水市場の攻防』(角川書店)、『日本人が知らない巨大市場 水ビジネスに挑む』(技術評論社)、『水に流せない水の話』(角川文庫)など。