【松本真由美の環境・エネルギーDiary】究極の高効率火力発電技術目指す (2/4ページ)

大崎クールジェンプロジェクト実証設備の全景=広島県大崎上島町
大崎クールジェンプロジェクト実証設備の全景=広島県大崎上島町【拡大】

  • 大崎クールジェンプロジェクトの実証設備の中央制御室
  • 勿来発電所のIGCC設備=9月20日、福島県いわき市

 「酸素吹の石炭ガス化技術は1990年代に米国、オランダ、スペインで実証試験後、商用運転が行われましたが、連続運転時間は最長で約3000時間と短めで、設備信頼性の改善が必要です。酸素吹は、空気から酸素を製造する設備が必要になりますが、ガス化炉設備やガス精製設備が小さくてすむメリットがあります。また、酸素吹は発熱量が高いガスを得られるため、将来的に高温高圧のガスタービンを採用し、さらなる高効率化が期待できます」

 空気吹IGCCの商用機としては、勿来発電所(福島県いわき市、約25万キロワット)が2013年4月から運転を開始しています。同県内では空気吹IGCC(54万キロワット)2基が20年9月と21年9月に運転を始める予定です。

 ◆実証は3段階で実施

 実証試験は3段階で行われます。現在行われている第1段階(12~18年度)では、IGCCの実証試験を実施。第2段階(16~20年度)では、石炭ガス化炉で生成したガスから効率的にCO2を分離・回収する実証試験を行います。第3段階(18~21年度)では、IGCC、CO2分離・回収設備に燃料電池を組み合わせたIGFCの小型実証試験を行う計画となっています。再び木田副社長にうかがいました。

 --IGCCのCO2分離・回収はどのように行うのですか?

 「可燃性ガスでガスタービンを回す前の『燃焼前回収法』を採用します。処理するガスが高圧で、ガス量が少なく、CO2濃度を高くできることから、エネルギーロスが少なく、効率的にCO2を分離・回収できます」