【松本真由美の環境・エネルギーDiary】究極の高効率火力発電技術目指す (3/4ページ)

大崎クールジェンプロジェクト実証設備の全景=広島県大崎上島町
大崎クールジェンプロジェクト実証設備の全景=広島県大崎上島町【拡大】

  • 大崎クールジェンプロジェクトの実証設備の中央制御室
  • 勿来発電所のIGCC設備=9月20日、福島県いわき市

 --最終的な目標は?

 「IGCCでは、商用化段階での発電コストを微粉炭火力と同等かそれ以下にすることが目標の一つです。最終的には、IGFCとCO2分離・回収を組み合わせた究極の高効率発電技術を実現したい。瀬戸内海の離島である大崎上島から日本の最先端のクリーンコール技術を発信するとともに、アジアを中心に世界にインフラを輸出し、地球環境に貢献したいと考えています」

 石炭は天然ガスや石油に比べて埋蔵量が多く、可採年数は100年以上とされます。石油のように埋蔵エリアが政情不安定な中東に集中しているわけではなく、価格も比較的安定しています。一方で、石炭は他の化石燃料と比べて燃焼時のCO2排出量が多く、地球温暖化への影響が大きいとされます。そのため、欧州の大手金融機関を中心に近年、新規石炭火力発電所への融資停止の動きが出ています。しかし、新興国を中心に経済性のある石炭火力の導入は進むとみられ、世界のCO2排出量は増加する見通しです。

 ◆石炭への評価変えるか

 世界の総発電量の4割強は石炭火力で、日本でも約3割が石炭火力となっています。日本の石炭火力発電は現在、微粉炭を燃やして566度以上の蒸気を発生させ、蒸気タービンのみで発電する超々臨界圧(USC)が主流です。しかし、USCでは発電効率の飛躍的な向上は難しいとされます。その点、IGCCは1500度級ガスタービンで発電した場合、従来型のUSCと比べて、発電効率が約7ポイント向上し、CO2排出量を15%削減できます。IGFCになると、発電効率は同14ポイント以上向上し、CO2排出量も同約30%削減できます。