JAXA、インドと共同で月面探査目指す 2020年代に極域で無人探査車

月の極域探査の想像図。インドが着陸機(右)、日本が探査車(左)を開発する(JAXA提供)
月の極域探査の想像図。インドが着陸機(右)、日本が探査車(左)を開発する(JAXA提供)【拡大】

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6日、インドの宇宙機関と共同で、2020年代前半に月の極域で無人探査を目指すことで合意したと発表した。インドの着陸機に日本の探査車を搭載し、次世代大型ロケット「H3」での打ち上げを検討する。

 水が豊富に存在するとみられる極域の探査を通じ、米国の有人月基地構想に貢献して参加につなげる狙いがある。来年度末を目標に探査の具体案をまとめる。

 月の極域には日照時間が長い場所があり、月面基地の電力を太陽電池で得るのに適している。クレーター内には氷が豊富に存在する可能性があり、飛行士の飲料水や、電気分解した上でロケット燃料などに利用できると期待されている。

 日本は探査機「かぐや」が月の上空を周回し高精度の観測に成功したほか、2020(平成32)年度に月面着陸機「SLIM」(スリム)を打ち上げる計画を進めている。

 JAXAは今年6月、米国の有人月基地構想への参加を目指すと発表。政府は今月1日、基地構想や国際協力での月面着陸に参加を検討する方針を決めた。