美的要素をコアにおくコミュニティー レッジョ・エミリア教育が導く世界 (3/3ページ)

 この美的要素は子ども自身の世界観の形成に貢献するだけではない。その一つ一つがコミュニティーに多様性を導き、その一方、多様性に寛容なコミュニティーをつくる。

 アフリカから来た友達の表現にイタリアで育った自分の表現とは違うところがあれば、それはどういう背景から来ているかの想像力もより働くようになる。

 差異に寛容であるのは、その差異の要因に関する理解が深いからだ。それには均一化されたコミュニティーから「あるべき多様性の姿」を学ぶのではなく、多様性をつくる一員になるのが最初のステップにならないといけない。

 これが美的な要素をコアにおくコミュニティーのロジックである。「うわべだけ格好だけつけて」という批判の対極に位置する。はじめに自分ありき、である。(安西洋之)

 筆者が企画に参画しているセミナーが2018年1月13日「ビジネスは魅力的なアート?」と19日「サスティナビリティある愛とは?」の両日、立命館大学東京キャンパスで開催されます。

 ご関心のある方はこちらへ。

【プロフィル】安西洋之(あんざい ひろゆき)

安西洋之(あんざい ひろゆき)上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『デザインの次に来るもの』『世界の伸びる中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)フェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih

ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。