ダムの湖底で日本酒を熟成 大阪・河内長野市の「ふるさと納税」返礼品に活用

滝畑ダムの湖底に沈められる日本酒。じっくりと熟成され、来年5月に地上へ戻る=大阪府河内長野市
滝畑ダムの湖底に沈められる日本酒。じっくりと熟成され、来年5月に地上へ戻る=大阪府河内長野市【拡大】

 大阪府内最大の多目的コンクリートダム「滝畑ダム」(河内長野市、総貯水容量934万トン)の湖底を舞台に、日本酒の熟成が始まった。昨年から始められ今年で2回目。今月に仕上がったばかりの新酒が採用され、来年5月末には、深い味わいに生まれ変わって地上へ戻ってくる。

 地酒を新しい観光資源にしようと市と地元の老舗蔵元、ダムを管理する府の3者が協力し、昨年12月から今年5月にかけて日本酒の熟成実験を実施。貯蔵場所として適していることが確認されたため、今回は本数を増やして熟成を行うこととなった。

 今月18日には、日本酒を湖底に沈める作業が行われた。当日は、来年で創業300年の歴史を持つ老舗蔵元「西條合資会社」蔵主の西條陽三さん(53)らが、12月にできたばかりの新酒(720ミリリットル)120本を準備。ダム湖上にある「浮島」から、酒瓶を深さ約25メートルの湖底へ降ろしていった。寝かせた酒のうち、100本が河内長野市の「ふるさと納税」の返礼品として活用される。

 返礼品の対象は1万円以上の納税者。西條さんは「やっと本格的な生産の足がかりがつかめた。河内長野市の名を、多くの人にPRする名物に育てていきたい」と抱負を語った。