人口増、武蔵小杉に見る利点と弊害 朝のJR改札 行列60メートル、駅舎飛び出す (2/4ページ)

早朝の通勤時間帯は駅舎の外まで改札待ちの人が連なる=JR武蔵小杉駅新南口
早朝の通勤時間帯は駅舎の外まで改札待ちの人が連なる=JR武蔵小杉駅新南口【拡大】

  • 超高層マンションが林立する武蔵小杉駅周辺=川崎市

 超高層マンションは平成37年度末までにさらに6棟が新設されるという。単純計算でもあと1万人程度の増加が見込まれる。

 一方で武蔵小杉は、人口増による弊害や災害対策など、現在、市全体の抱える問題の数々が集約されているエリアでもある。改札待ちの行列やホーム上の大混雑もその一つだ。鉄道利用者や周辺住民から不満の声が漏れ、市や鉄道会社は対応に追われている。

 人口過密は大災害時の不安もかきたてる。超高層マンションの膨大な数の住人が、災害時、一斉に避難を始めたとき、果たして安全が確保されるのか。住民の不安・不満は尽きない。

 市政運営難しく

 川崎市は今年、4月に人口150万人を突破した。10月には市長選が行われ、市にとって大きな“転換点”となる年だった。

 福田紀彦市長は再選後、産経新聞のインタビューで市政に対する自信の表情を見せた。市民の信任や人口増の追い風を受け、任期をそつなくこなす考えだ。ただ、市長自らも認めるように、今後、市を待ち受ける課題の解決はそうたやすくはない。特に高齢化とインフラの老朽化、財政逼(ひっ)迫(ぱく)は切実な問題となっている。

増え続ける歳出