きょうから確定申告も…国税長官が足かせに 「雲隠れ」半年以上 納税者のクレーム殺到 (3/3ページ)


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 その一方で佐川氏は、長官就任1カ月後の昨年8月に仙台国税局を訪れ、職員に「公務員に対する国民の目はますます厳しくなっている」と訓示、行政文書や情報管理の徹底を求めた。今年元日に発行された国税庁の広報資料「国税広報」では「税務行政に対する国民の信頼を損なうことのないよう、責任ある行動をしていただきたい」とのコメントを寄せている。

 説明責任を十分に果たしているとは言いがたく、野党は長官の更迭を要求しているが、麻生太郎副総理兼財務相は15日、衆院予算委員会で、佐川氏について「極めて有能な役人だ」と述べ、更迭を拒んだ。

 日大危機管理学部の福田充教授は「なぜ答弁と食い違ったのか。納税の義務を国民に強いているからこそ佐川長官には説明責任があり、さもなくば税制への信頼が揺らぎかねない」と指摘している。