ノーベル化学賞、根岸英一さんの車が交通事故か 妻死亡、本人搬送 米中西部

根岸英一さん
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 米中西部イリノイ州の警察は14日、ノーベル化学賞を受賞した米パデュー大特別教授、根岸英一さん(82)の妻すみれさん(80)が同州で死亡したと明らかにした。根岸さんは治療のため病院に搬送されたが、容体は不明。地元テレビ局は夫妻の車が溝にはまる交通事故を起こしたと報じた。警察はすみれさんの死因を調べているが、事件性はないとみている。

 警察によると、インディアナ州に住む根岸さん夫妻は12日に行方が分からなくなり捜索願が出されていた。警察が13日午前に隣接するイリノイ州のごみ処理場で歩いている根岸さんを発見。近くにあった車のそばですみれさんの遺体も見つかった。警察は根岸さんの負傷の有無など詳細を明らかにしていない。

 地元テレビ局が根岸さんの親族の話として報じた内容によると、根岸さんは自宅から空港に向かって運転していた際、車が溝に突っ込み、助けを呼ぶため妻を残してその場を離れたという。

 根岸さんは2010年、2種類の有機化合物から目的とする別の有機化合物をつくる「クロスカップリング」という反応の開発で、鈴木章北海道大名誉教授と共にノーベル化学賞を受賞した。(共同)