
世界自閉症啓発デーで青色にライトアップされた神戸モザイクの観覧車=平成25年4月2日、神戸市中央区【拡大】
「お先真っ暗」だったが…奇跡的な成長遂げ大学生に
厚生労働省によると、自閉症には言葉の発達の遅れや、コミュニケーションや対人関係の障害、パターン化した行動といった特性がある。佐伯さんの長男(18)も自閉症だ。特に幼少期は子育てが大変だったという。視線が合わず、手もつなげない。名前を呼んでも振り向かず、手をひらひらさせて楽しそうに跳びはねるだけ。言葉も小学5年生までほとんど話せず、「お先真っ暗だった」と振り返る。
そんな中、救いになったのが保育士や教師らとの出会いだった。適切な時期に適切な支援を受けた結果、奇跡的な成長を遂げ、4月からは大学1年生だ。
ただ、社会全体の発達障害への理解はまだまだ低い。佐伯さんは「発達障害のある子供には個々に合った適切な対応が必要で、不登校やひきこもりといった二次障害を防げる」と指摘。そのためにも社会の理解が不可欠だとして、今後も活動を続けていくつもりだ。「周囲が発達障害の特性を理解することが子供たちの可能性を伸ばす力になる。発達障害児を見守る意識が社会に広がるきっかけとなれば」と話している。
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発達障害 自閉症や学習障害(LD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの総称。生まれつきの脳機能障害が原因とされる。他人の気持ちを読み取れなかったり、物事を計画的に進められなかったりすることがある。人によって特性は異なり、音や光などに対する感覚過敏を伴うことも多い。幼少期に症状が現れるが、大人になってから診断されるケースもある。平成24年の文部科学省の調査によると、発達障害は小中学生の6・5%に可能性があるという。